(文:コーチ・エィ 青木美知子)
「微笑んではいても、同意しているわけではない」
「文句は言わないが、行動もしない」
「彼らの真意をとらえるのが難しい」
微笑みの国、タイでよく聞く台詞です。
「現地化の推進」や「社員の自律性・主体性の向上」と言いながら、動かないタイ人社員を前にぼう然と立ちすくみ、なんとか動いてもらおうと指示命令が加速する。そして、指示待ち社員の量産が続く・・・。
そんな悪循環に陥っている日本人リーダーがたくさんいらっしゃいます。
一方で、こういった状態を乗り越え、変革を着実に進めていかれるリーダーの方々もいらっしゃいます。
この違いは、いったい何なのでしょうか。
まずは「目の前」の、直属部下を口説いていた
駐在先の国で、直属の外国人部下との関わりが面倒なとき、日本人リーダーの多くが陥りがちな行動はどのようなものでしょうか。
・日本人駐在員だけでまとまってしまう
・直属のメンバーと現場社員を分けず、社員全員への方針説明で済ませてしまう
・面倒な直属メンバーを飛び越して、現場の社員とばかりコンタクトをとる
しかし、多くの企業でお話を伺う中で、あることに気づきました。
確実に、しかも効果的に組織変革を前に進めているリーダーは、自分の「直属の部下を本気にさせる」ことから始めている、ということです。
直属の部下が日本人かタイ人かは関係ありません。「目の前の部下」を、変革に誘い口説いているのです。