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酸化ガリウムは圧倒的高性能

 まず、酸化ガリウムは半導体としての性質が極めて良い。

 炭化ケイ素や窒化ガリウムは、シリコンよりも半導体として優れているがゆえに画期的な省エネを実現している。しかし、酸化ガリウムの物性は、炭化ケイ素や窒化ガリウムを圧倒する。

 シリコンに対する半導体物質の性能を現す数値として、バリガ性能指数がよく用いられている。この数値、シリコンが1、シリコンをしのぐ省エネを実現する炭化ケイ素が340、窒化ガリウムが870である。

 それに対し、酸化ガリウムのバリガ性能指数は何と3444である。

 シリコンの約3400倍、素晴らしい省エネ効果を実現している炭化ケイ素と比べても約10倍である。酸化ガリウムの性能は文句なしに圧倒的なのだ。

 同じ性能の素子であれば、損失が少なく圧倒的省エネを実現でき、サイズも文字通り桁違いに小さく作ることができる。

 例えば、フロスフィアは既に炭化ケイ素に比べ電気抵抗が86%減となるダイオードの開発に成功しているし、同社のウエブサイトにあるサイズ比較では100分の1近い面積になっている。

欠点克服で酸化ガリウム半導体に目処

 しかし、これまで酸化ガリウムにも欠点があった。酸化ガリウムではP型半導体が作れなかったのだ。

 半導体には、電子をわざと足りなくしたP型半導体と、電子をわざと余らせたN型半導体が存在する。

 パワー半導体を用いたインバーターなどのパワーエレクトロニクス機器は、トランジスタとダイオードによって成り立つ。

 ダイオードはN型半導体のみでも製造できるショットキーバリアダイオードがある一方、トランジスタにはどうしてもP型とN型の双方が必要である。

 このため、酸化ガリウムではショットキーバリアダイオードしか作れないとされてきた。