今はやりの自動車のEV化は、これまで100年以上内燃機関を動力源にしてきた自動車の一大転換点として関心の的となっている。
一方、「軽さ」が絶対条件となる航空機では、電池・モーターの重量や電池の化石燃料に対するエネルギー密度の低さから、実現性のハードルは高いと思われてきた。
筆者も電動では重量の壁を超えられないのではないかと思っていた。しかし、近年、世界各国で電動航空機の研究が進んでいる。
日本でも電動航空機の試験機を飛ばし始めたし、欧州のエアバスは電動旅客機の実験機を開発するそうだ。
実は、電動航空機は遠い将来のものではない。近未来に実現するものである。
電動航空機は2種類
現在考えられている電動航空機は、小型機を想定した純電動航空機と、大型機を想定したハイブリッド機である。
純電動航空機は、小型機のガソリンエンジンとガソリンを、モーターと電池に置き換えたものである。
サイズは小型機の中の小型機と呼べる1人乗りのもの。電動に置き換わるガソリンエンジンは、街中の乗用車を走らせているものとさほど変わらない。
ハイブリッド機は、機内に積んだガスタービンエンジンで発電し、その電気を用いてモーターにつないだファンやプロペラを回して飛行するもの。旅客機のような規模の大きい航空機を想定している。こちらは次回紹介する。