ハイブリッド車が現れた20年ほど前も、電動航空機などあり得ないと考えられていた。航空機は軽量でなければならないが、電池があまりに重すぎた。

 ガソリンとリチウムイオン2次電池のエネルギー密度の差は現在でも約100倍。

 これは、同じ距離を飛行する場合、ガソリンで飛ぶ場合の燃料の重量の100倍の重さの電池を積む必要があることを意味する。当時の差はそれよりはるかに大きかった。

 初期のハイブリッド車やEVは電池の寿命が短かったり、すぐ電気がなくなったりしたが、この20年ほどで大幅に進化した。

 電池はエネルギー密度を上げ、軽くなっていった。そこで、電動航空機が現実味を帯びてきた。

空飛ぶクルマは電動航空機の延長

 現在、ドローンが急速に普及しているが、人が乗ることができるドローン、いわゆる「空飛ぶクルマ」の研究も始まっている。日本でもトヨタ自動車や経済産業省が参加する官民協議会ができたりしている。

構想されている空飛ぶクルマ(出所:経産省ウエブサイト)