(書評:中西哲生/栗山英樹・著『稚心を去る』)
インタビュアーとして一流だった栗山さん
プロサッカー選手だった僕が、プロ野球の監督の本を勧めるというのは、違和感があるかもしれません。ただ、この本を読ませていただいて、これは野球好きの方だけが読む本ではない、そう感じました。
紹介させていただくのは、北海道日本ハムファイターズの監督、栗山英樹さんの新刊『稚心を去る 一流とそれ以外の差はどこにあるのか』です。
栗山さんとは、『GetSports』(テレビ朝日)というスポーツ番組で2001年から、監督に就任される2011年までの10年間、仕事でご一緒させていただきました。
当時からスポーツに対するリスペクトを持たれていた栗山さんは、たとえばサッカーについてもつねに興味を持って話を聞いてくれていましたし、逆に野球について尋ねると丁寧に説明してくださいました。
また、話を聞く選手へのリスペクトを第一とした上で、フラットに接しながら言葉を引き出していく、インタビュアーとしての姿勢は、今でも僕に「こうあるべき」という大きな影響を与えてくれています。
今は監督という現場で選手たちを導いていらっしゃっていて、あのときよりも、すべての面で進化している印象を受けます。
そんな栗山さんが書かれたこの本は――先に書いておきますが――経営者や中間管理職の方などはもちろん、一人でも部下がいたり、チームで指揮を執ったりする方には欠かせないヒントが、いや、答えです。答えがいたるところに書かれています。
こんなくだりがあります。