果てしなき「戦後政治の総決算」と「積弊精算」との対決
一国の最高指導者である文在寅大統領と李洛淵首相が前面に出て日本政府をなじる図。日韓とは自らが間に立って三角同盟を堅持してきた米国は苦虫をつぶしたような顔をしている。
もともと左翼人権活動家の文在寅大統領と保守派の安倍晋三首相とは水と油。
安倍首相が「戦後政治の総決算」を唱えれば、文大統領は歴代保守派の親日と独裁による「積弊の精算」をスローガンに掲げてきた。
衝突しない方がおかしい。
1970年代から歴史認識をめぐる日韓の確執を東京やソウルで取材してきた米主要紙ベテランジャーナリストは日韓の大ゲンカをこう見ている。
「そもそも文在寅大統領を支えてきたのは左翼労組や知識人、草の根リベラル勢力。筋金入りの反日インテリと心情的な嫌日の連合軍だ」
「ちょうどドナルド・トランプ米大統領を支えているのが極右や草の根保守、キリスト教原理主義者たちなのと似ている」
「左右の違いはあるが、両大統領はこれらの声には逆らえない」
「支持勢力が両者ののど元に突きつけている刃は、文大統領にとっては『反日』であり、トランプ大統領にとっては反移民・難民、反非白人を唱えるホワイトアメリカ」
「その象徴がメキシコ国境に建築しようとしている『壁』。だからトランプ大統領は議会民主党がいくら予算案から『壁』建設費を削除してもこの一線だけは譲れない」
「文大統領にとっても『反日』の旗は降ろせないのと同じだ」