徴用工問題は「歴史認識」と直結する日韓最大の事案に
徴用工問題はレーダー照射事件よりもより根が深い。日韓の歴史認識に対する根本的な相違を示すシンボルになってしまったからだ。
安倍自民党総裁外交特別補佐の河井克行衆院議員は、1月8日、ワシントン市内の保守系シンクタンクの「ハドソン研究所」で講演した。
その中で同氏は、韓国海軍の駆逐艦による海上自衛隊P-1哨戒機への火器管制レーダー照射問題に言及し、て次のように韓国側の対応を批判した。
「軍を含む韓国社会全体に『日本には何をやっても許される』という空気が蔓延していることが誘因となった。事実認定すらしないのは友好国としてあるまじき態度だ」
この発言は、ただレーダー照射事件に対してではなく、韓国最高裁の徴用工判決を含む韓国社会全体の、異常なまでの『反日シンドローム』(反日症候群)に向けられたことは間違いない。
この河井発言について講演を聞いた米国の識者たちがどのような反応を示したか。直接反応は取れていないが、河井議員の発言についてコメントを求めたリベラル系シンクタンクの研究員の一人は筆者にこう述べている。
「確かに河井議員の指摘した通り、今の韓国の司法、立法、行政は国家としての体をなしていない面がある。『コリア第一主義』の前には国際法も協定もあったもんじゃない」
「何も文在寅政権から始まったものではなく、朴槿恵政権の頃からその兆候はあった。反日にしても文在寅政権からではない」
「ただ文在寅政権が『コリア第一主義』で突っ走れば走るほど『反日』は重要な動力源になっている」
「反日のメリットは南北和解と統一へのインセンティブになっている。韓国は、こと歴史認識では中国もロシアも同調するという自信がある」
「米国内にも韓国の歴史認識についてある程度理解を示すものもいる。日本の軍国主義復活への懸念と裏表の話だ。日韓の確執をめぐって米国がやみくもに日本を支持できない理由もそこにある」