韓国政府がレーダー照射で謝罪できない理由

 トランプ政権が公式には日韓どちらの主張にも正否を打ち出せずにいる中で、米軍事関係者はレーダー照射事件では自衛隊に軍配を上げている。

 その一人、在日米軍総司令部で対米政府連絡担当官だったマイケル・ボサック*3氏は『Tokyo Review』でこう指摘している。

*3=ボサック氏は在日米軍司令部に勤務していた際には、「2015年日米防衛協力ガイドライン」作成に参画している。現在国際大学大学院国際関係学部(GSIR)博士課程に在籍している。

 「韓国海軍駆逐艦『広開土大王』(クアンゲト・デワン)が12月20日午後、能登半島沖の日本の排他的経済水域を上空を飛行する自衛隊「P-1」哨戒機に対し火器管制レーダーを照射した、という防衛省の主張は大部分において正確だ」

 「韓国軍はレーダーを照射したが、その理由*4は明らかにされていない。韓国はこうした日本の主張に対して全面否定している」

*4=米軍事関係者の間ではレーダー照射は駆逐艦の乗組員のミス説が根強い。ただ韓国軍内部にすら、そうした事態を起こすほど反日・嫌日的なムードが蔓延している証左とみる向きもある。

 「韓国がなぜ断固に持論に固執しているのか。その理由は自らの誤りを認め、謝罪することをためらっているからだ」

 韓国にとってこの件で日本政府に謝罪することは政治的には絶対にできない。なぜなら、日本は植民地時代や戦時中に行った行為について韓国に対し、適切に謝罪していないというのが韓国政府の立場だ」

 「日本の犯した行為に比べれば(レーダー照射事件は)マイナーな事案。それについてどうして韓国は日本政府に謝罪しなければならないのか。これが韓国側の言い分だ」

https://www.tokyoreview.net/2018/12/locked-on-and-tuned-out-how-to-understand-the-radar-incident-between-japan-and-south-korea/

防衛省が発表した動画「韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」より