バーナード星(左)と、その近傍を周回する「スーパー・アース」惑星(右)の想像図。 Image by ESO/M. Kornmesser, under CC BY 4.0.

(小谷 太郎:大学教員、サイエンスライター)

 地球に暮らす生命のみなさんこんにちは、小谷太郎です。

 先日、へびつかい座の方向にある「バーナード星」が惑星を持つという研究結果が発表されました。

 バーナード星はここからたった5.9光年しか離れていない恒星です。御近所と言っていいでしょう。そのため100年前から天文学者の興味の対象となり、また多くのSFの舞台となった「スター」です。

 近距離にあるため、バーナード星の惑星は直接観測できる見込みがあります。すると、望遠鏡による生命探査も可能かもしれません。

 今回の報告によって生命探索リストの最上位に飛び上がった、バーナード星の惑星について解説しましょう。

バーナード星とは

「バーナードさんの星(Barnard's star)」バーナード星は、へびつかい座の方向にある暗くて小さくて目立たない星です。たった5.9光年という近さなのに、肉眼では見えないほど暗い9.54等星です。

 どうしてこれほど暗いかというと、質量が太陽の0.14倍しかないこの星は、核融合反応をしょぼしょぼ行なっているからです。表面温度も約3000Kと低く、そのため赤く見えるので「赤色矮星」と呼ばれます。