不動産高騰の原因は低金利?
政府内からは全く異なる理由で利上げを求める声も強かった。
「低金利政策が続き、市場流動性の過剰が不動産高騰の大きな理由だ。前の政権から続いている低金利政策が政権が変わっても変わらないことが流動性過剰の原因だ」
10月2日、金賢美(キム・ヒョンミ=1962年生)国土交通部長官は国会答弁でこう話した。
2017年5月に文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権が発足してから、ソウルを中心として不動産価格が急騰している。
不動産対策を「経済格差解消」の政策の1つに掲げる今の政権としては頭の痛い問題だ。
不動産高騰の理由は複雑だが、「低金利」もその一因であることは間違いない。これといった「不動産対策」を実行できない政府から見れば、「金利」を何とかして上げろ、と言いたいところでもある。
一方で、「利上げ」を懸念する声も少なくはない。
経済成長見通しをさらに下方修正
まずは、経済状況だ。輸出はまずまずだが、消費はいまいちだ。雇用情勢に至っては「過去最悪」とまで言われている。
韓国銀行は、金融通貨委員会を開いた10月18日、2018年のGDP(国内総生産)成長率見通しを年率2.9%から2.7%に下方修正した。7月に3%から2.9%に引き下げたのに続く修正だ。
原油高、米中貿易摩擦の激化、空前の半導体好況に変化の兆しが見えるなど韓国経済を取り巻く環境は、先行きマイナス要因の方が多い。