本書の背後にある書けないケース
この本に出てくるのは、既に解決したケースが大半だ。何をもって解決と言えるのかは難しいが、とにかく、世間的には一応、「一件落着」になったケースが多い。
わいせつ行為で処分を受けたり、懲戒免職になった教員はこんなに増えている。(『スクールセクハラ』より)
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懲戒免職になったり、逮捕されて判決が出たり、民事訴訟で賠償金が支払われたり・・・。自分でも「よく書けたな」と思うほど、取材は難航を極めたが、それでも、一応、「片が付いた」問題だけに、ある意味、書きやすい面もあった。もちろん、取材に協力してくださった大勢の関係者の方々がいたからだけど。
この本を世に出せて、改めて感じるのは、書けないことの多さだ。解決していない問題は、とても書きづらい。そのうえ、被害者が「話を聞いてほしい」と思っていても、「書いてほしい」と考えているとは限らない。