一緖に働く人々と良い人間関係を築き協力して働けること、組織に対して心理的安全性を感じられること、周囲の人から気にかけられていること、大事な存在とされていると感じられることは、幸福度の向上に大きくつながります。

 実はこの「関係性」は、神経伝達物質「オキシトシン」という脳内物質と大きく関係しています。オキシトシンは、絆・共感・信頼・愛といった感情とひも付いています。この物質が分泌されると、ストレスが緩和され、「幸せ」な気分がもたらされるとされています。

 職場において良い関係性を築くためには、“相互理解”と“良いフィードバック”が行われていることが重要となります。

 職場では日々、上司から部下へのフィードバックが行われています。そのタイミングは、定期的な面談、報告や提案を受けたときなど、さまざまです。いずれにしろ、その際、上司が「部下の強み」を活かすフィードバックを心がけていることが重要です。そうしたフィードバックが行われていると、チームやメンバーの生産性・収益性が大きく向上し、離職率も大幅に下がることが明らかになっています(下の図)。

 また、従業員同士の“良い関係”の構築には、「声をかける」「挨拶をする」「感謝する」といったコミュニケーションが十分に行われていることが大前提となります。日本では、表立って「感謝」を伝えることがどこか気恥ずかしい、苦手だという人が少なくありません。しかし、必ずしも対面である必要はありませんので、互いにポジティブフィードバックができる仕組みを作ることが大切です。