従業員が、会社のPurposeと重なり合う自らのPurposeを実現していく際、自分の強みを活かせる方がパフォーマンスが上がり、幸福度も向上します。自分の強みを活かす機会を与えられると、意欲、生産性、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が大きく向上することが、データからも明らかになっています(下の図)。

「自分らしさを活かす」ことを企業風土にまで高め、業績を大きく向上した企業としてよく知られているのが、北米でEC事業を展開するZappos(ザッポス、1999年創業)です。2009年にアマゾンに買収されてからも、独自の文化を維持した経営を行っており、フォーチュン誌の「働きがいのある企業100社」にも選ばれています。

 同社の社員には、「顧客を幸せにするために、自分が必要だと判断するあらゆることを、自分の裁量で実行する権限」が与えられています。そうした社員の行動が、新規顧客獲得のうち口コミによるものが43%、リピート率は75%という驚異的な数字につながっているのです。同様の取り組みはリッツ・カールトンやパタゴニアなどでも行われ、やはり社員の幸福度向上と業績向上に結びついています。

 会社側としては、社員に幸せに働いてもらうなら、仕事の進め方だけではなく、「ワークスタイル」にも大きな裁量を与えるべきです。社員が自分の能力を発揮するためには、いつ、どこで、どのように働くかを自分で選べるほうが望ましいのです。

 アイディール・リーダーズでも、多様な働き方を推進しています。フルタイムのメンバーだけでなく、週3日分だけ働く社員や、プロジェクト単位でコワーク(協働)するパートナー、 学業と両立するメンバーや在宅勤務のメンバーなど、それぞれの希望やライフスタイルに合わせて働けるようにしています。そのおかげで、多くの優秀な人材が集まり、皆がハッピーに働いているということを実感します。

Relationship(リレーションシップ=関係性)

 組織の中で「関係性が良い」ことも、「仕事における幸せ」には欠かせない要素です。