「仕事における幸せ」はどうすれば実現できるのか(写真はイメージ)

 多くの企業が生産性の向上を目指して労働時間の短縮に邁進している。だが、労働時間を減らすことだけが正しい道なのか? 経営コンサルティング会社、アイディール・リーダーズの「CHO」 (Chief Happiness Officer)丹羽真理氏によると、「社員の幸せ」が組織の生産性を高め、ビジネスの成果をもたらすことが明らかになってきたという。誰もが幸せに働けるようになるための考え方と方法を、丹羽氏が2回にわたって解説する。(JBpress)

労働時間の短縮だけが解ではない

 働き方改革が叫ばれています。働く時間を短くすれば、生産性が上がる。確かに理論上はそうかもしれませんが、私を含めておそらく多くの方が実感されているように、仕事の時間を切り詰める方向を強化すると、中長期的なことを考えるための余裕がなくなったり、職場の空気がピリピリしたり、身体も脳みそも疲れ果ててしまったりと、必ずしもビジネスでの成果に結びつかないことが多々あるのではないでしょうか。

 もちろん、ムダな仕事や無意味な残業、心身の健康を害す長時間労働はすぐにやめるべきです。しかし、生産性を上げ、企業を発展させるためには、労働時間を減らすことだけが解ではない、ということなのです。

 では、どうすれば良いのでしょうか?

 実は、「社員の幸せ」がビジネスの成果をもたらすということが、近年、様々な研究から分かってきています。

「幸福度の高い社員の生産性は31%高く、創造性は3倍高い」
「幸せな気持ちで物事に取り組んだ人は、生産性が約12%上昇する」
「幸福度の高い医者は、そうでない医者と比較して平均して2倍のスピードで症状を分析し正しい診断を行う」