さらに、私たちは、個人のPurposeにも組織のPurposeにも以下の2つの要素が必要であると考えています。

(1)自身(組織)が大切にする価値観に沿っている
(2)社会的意義が含まれている

 例えば「よく働き、高い年収を得る」という目標を掲げている人がいます。その人の個人的な目標としては問題ないのですが、「自身の価値観に沿っているか?」「あなたが高い年収を得ると、社会にはどんないいことがあるのか?」といった問いに答えられなければ、Purposeにはなりません。組織のPurposeも、個人のPurposeと同様に、「組織の価値観」と「社会的な意義」を含むことが不可欠です。

 2つの要素を含む個人のPurposeと組織のPurpose。これらに重なりがあることが「仕事における幸せ」の出発点となります。

 アイディール・リーダーズでは、それぞれのメンバーがPurposeを持って集ってきています。私の場合は「幸せに働く人で溢れる世の中をつくる」ことです。また、代表(永井恒男)は「世界平和とイノベーション」をPurposeとして持っています。こうしたメンバーのPurposeと、会社のPurposeの重なり合う部分が、事業(仕事)として形になっています。

 アイディール・リーダーズは「人と社会を大切にする会社を増やします」というPurposeを掲げています。このPurposeは、メンバーそれぞれのPurposeと密接な関係がありますので、私たちもそこに意義を見出すことができるわけです。

 自分のPurposeと紐付いていて、意義を見出すことができる──そんな仕事だからこそモチベーションが上がり、結果として成果を残すことができる、ということになるのです。(つづく)

(*)拙著『パーパス・マネジメント――社員の幸せを大切にする経営』では、企業において具体的に行うべきこと、また、社員の幸せをデザインするリーダー「CHO」 (Chief Happiness Officer)について詳しく解説しています。ぜひお読みいただけると幸いです。