●陸上イージスは高価すぎる?
陸上イージス反対論者は、「陸上イージスは高価すぎる」と批判するが、事実はどうなのかを検証してみたい。
・陸上イージス2基と最新イージス艦「まや」型2隻の比較
陸上イージス2基と最新イージス艦「まや」型2隻の費用を比較すると陸上イージスの方が安価であるという計算結果になる。以下、説明する。
防衛省のHPで公開している「陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)の構成品選定結果について」によると、以下のような経費になる。
(1)陸上イージス1基の取得経費(*1)約1340億円 2基の取得経費2679億円
(*1:レーダーを含む陸上イージス構成品購入費に加え、運用開始までに必要な初度費、補用品費、技術支援費)
(2)教育訓練に係る経費(*2) 約31億円
(*2:初度要員養成費に限る)
(3)30年間の維持運用経費(*3) 約1954億円
(*3:陸上イージスの導入後、30年間の維持・運用に必要な経費)
結論として、2基の30年間のライフサイクルコスト(開発・取得・維持・運営に係る経費の合計)=(1)+(2)+(3)=約4664億円になる。
この30年間のライフサイクルコスト4664億円を公表したために、「非常に高価」だという批判を浴びたのだと思う。