夏休みですので、エジプト式分数の話題など予定していたのですが、台風12号のイレギュラーな上陸で大雨となっており、急遽予定を変更して、防災を考えたいと思います。
台風12号は九州の南西に抜けましたが、この夏、台風はこれから幾度も到来し得る状況ですので、シンプルに防災のための要諦を検討してみましょう。
「だろう」被災から「かもしれない」防災・避難へ
私の研究室は長年、広島国際大学と共同研究を進めています。新幹線を東広島駅で下車して車で30分ほど、小高い丘「黒瀬学園台」の上に、広島国際大学東広島キャンパスがあります。
先日の大雨、何気なくツイッターの画面を眺めていたら、幾度も訪れて見慣れた、この「黒瀬学園台」がとんでもないことになっている写真が出ているではないですか。
驚いて、共同研究者の石原茂和先生にご連絡を取りました。ご夫婦揃って総合リハビリテーション学部教授、VR、ARを駆使する高齢者・障害者ケア・イノベーションのトップランナーです。
しかし、こと災害となると気候は人を選びません。幸い、キャンパス建物そのものは無事とのことでしたが、周囲の学生駐車場や田んぼは軒並み土石流で埋まってしまい、雨が上がれば一面泥の海、すごいことになってしまいました。
一つひとつ手仕事で復旧を進めていた矢先、こんどは変則的な進路で台風12号が東から直撃の可能性。
この状態で、今度大雨が降ったら、2次的な大規模土石流はまず避けられないと大学は判断、さっそく全学休講・閉鎖の措置を取ったとのことです。
「この程度の降雨なら大丈夫だろう」と高をくくって災害の直撃を受ける「だろう被災」を避け、「様々な2次災害もあるかもしれない」と早め慎重の対策を取る「かもしれない」防災・避難が最も重要と思います。