この原稿を執筆中の2018年7月28日夕方4時過ぎ、「東広島市全域に避難準備情報が出た」と、東広島の石原先生からいただきました。
8万2636世帯、18万5855人、全員だそうです。
記録のない山崩れ
広島国際大学の被災では、いまだ記録にない山崩れが起きました。
「前平山」の中腹部、東広島市のハザードマップ(http://www.city.higashihiroshima.lg.jp/bosai/10/3541.html)では、確かに要注意の茶色のドットが付されており、その通りに、しかしはるかに大規模に、脆弱な地盤が崩れ落ちてしまいました。
この半面、広島国際大学の目の前を、瀬戸内沿いに電力を供給していく大規模送電線の鉄塔が建っていて、こちらは一つも倒れたりしていない。
怪獣映画などでは気軽に化け物が送電線を壊して歩きますが、現実に一本でも幹線が切れてしまったら、中国地方のエネルギー供給は大混乱に陥ってしまうでしょう。
「地盤の確かなところを選んで送電線は立てられているのだな」と、石原先生は痛感されたそうです。
瀬戸内海、呉の北東にそびえる「野呂山」の裾が北に延びた先に広がる東広島市。真ん中を流れる黒瀬川は、「野呂山」と「掲山」の間を抜けて呉市「広」で瀬戸内海に注ぎます。
石原先生によると、このエリアで、園芸などにもよく使われる劣化した花崗岩「真砂土(まさつち)」の地盤が、ごそっとやられてしまったようです。
すでに東日本大震災の時にも報道もされましたが、先日の水害後、あちこちで問題になったのが、地球にやさしいはずの車が、被災地ではちっともやさしくないということでした。