「災害がそこで停止しているだけ」という状態が決して少なくなく、以前と違う方向から水が襲うとバランスが崩れて決壊、といったことがいくらでも考えられます。
ハザードマップやAIを駆使するシステムなども、基本は以前の被災データをもとにリスクを弾き出しているわけで、前例のない状況に対して万全の対策を立てられるわけではありません。
もちろん、いたずらに不安に陥り、パニック状態などが起きては困りますが、仮に避難情報などが出遅れていても、家は安全「だろう」的な楽観ではなく、危険「かもしれない」と対策を立てておくべきであるのは、日本全国、どこでも共通しています。
議席を持ち責任あるはずの立場の者が総裁選の票読み大事で酒盛りなどしているべき状況ではありません。
視点を変えると、欧州ではギリシャやスウェーデンで、猛暑と乾燥に起因する山火事が広がっています。
特にスウェーデンの山火事はすさまじく、国土の全域で70箇所とも言われる火の手が同時に上がり、通常の鎮火では目途が立たず「鎮火弾」の投下など、軍も出動して未曾有の消火戦状態になっています。
さて日本はというと、国会閉幕直前のIR実施法案こと、カジノ案件の押し切り、あるいは閉幕直後という政治的タイミングだけによるオウム真理教事犯の大量処刑、それに伴う必然性のない関連報道を用いた、様々なスキャンダルへの煙幕効果などばかり目立ちます。
日本の保守では死刑執行すると選挙に勝てるというジンクスを信じる政治家が少なくなく、私も4月時点で公開ショー準備と耳にしていましたが、本当にこういうことになるとは、もう言葉もありません。
グローバルな天災報道なども全く目立たない、あるいはそもそも報じられないケースも少なくありません。
しかし、どれだけ「ポスト・トゥルース」などと強弁しても、自然災害や環境破壊など、物理的な異変は、密室談合の多数決でなかったことになどにできる代物ではありません。
欧州、シベリアから日本まで記録的な猛暑の傍らで、冷夏が予想される地域も広がっており、前々回の多摩川「タマゾン化」ならずとも、気候システム全体が変化しつつある可能性を念頭に置く必要があるかと思います。
何なにはともあれ、激しい降雨が予想されるなか、くれぐれも2次、3次災害が拡大しないことを祈るとともに、単にお祈りするにとどまらず、いち早く賢明な被災の行動、措置が取られるようにと、強く思います。