厄介者、あるいは単なる危険物になってしまうケース、水につかったEV車やハイブリッド車が始末に負えなくなってしまったのです。

 床下浸水程度の被害があれば、これらの車はすでに1ミリも動かせない粗大な金属塊となりかねません。

 以前は「下手をすると感電の危険」と報じられましたが、こちらは随分改善したようです。

 ただ、感電もしないけれど始動もしないとなると、車としては価値のない代物になってしまいます。

 私自身もハイブリッドカーに乗っていますが、平時を前提に設計された車は、必ずしも災害時にあてになるとは限らないようです。

スズキの新型ジムニー(出所:スズキ)

 ちなみに先日の水害以後、いま復旧にあたって広島でよく売れているのはスズキの新型「ジムニー」だそうです。ガレ場のようになってしまった悪路走行性の良さが、水害直後の現地で圧倒的に歓迎されている。

 エコフレンドリーな観点、燃費の良さなどでは他車にメリットがあるようですが、ジムニーの堅牢さ「ロバストネス」は明らかです。

 今後大過なく復興した暁には、今回被災した地域でのEVやハイブリッド車の売れ行きには、相当変化があるのではないか、との見通しが広がっているようです。

2次、3次被災を回避して

 7月28日から29日にかけて西日本を通過した台風、その降雨そのものによっては、東広島で目立った災害は見られませんでした。

 しかし、地元では安心はしていられません。前回も、雨が上がった後で、様々な2次災害が発生しています。

 広島国際大学の真ん前の山肌に大きく口を開けてしまった地すべりは、潜在的なリスクとして地元が抱え込んでしまった一つと認識されています。

 即効性のある対応策はありませんので、今後、慎重に対処していくのみ、になります。

 「だろう」被災を避け「かもしれない」防災を続けなければならない、と兜の緒を締め直しておられるとのことでした。

 現在の中国地方は典型的ですが、今回の台風12号に限らず、すでに大水などで地盤が緩んでいたり、一部土砂崩れ、土石流などが起きた場所では、何らかの非平衡な理由で、たまたま土砂がストップしている場所には、あらゆる注意が必要です。

 先日の水害では、雨が上がった後なのに、晴天のもとで土石流に家が流されるといったケースも報告されました。