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 そこでは「よくある感染症」と言われ、保険金の支払いさえ拒否されたというのですが・・・。

 飛行機にチェックインした時点では、スチリン氏の病状は著しく悪化しており、前記のような騒ぎとなり、さらにその原因が「壊死性感染症」と聞かされてしまうと・・・。

 航空会社は「同じ便に乗り合わせた乗客・乗員」に感染のリスクはないと念を押したそうですが、感染症であれば、病原菌がいるはずです。どうして<感染のリスクはない>などと言い切れるのか。

 不審に思うほうが人情としては自然でしょう。

 でも実は、この点に関しては航空機会社の言い分は正しいのです。感染の心配はない。と言うより、実は私たちはみな、今現在の時点で、同じ菌に感染しているのです。

 「そんな、全身から悪臭を発するとんでもない壊死性の病原菌などに、感染していてたまるものか」と言われる方が多いと思いますが、スチリン氏を襲った病魔、実は私たちの腸内に普通にいる「常在菌」が真犯人なのです。

ガス壊疽の恐怖

 報道には定かに記されていませんが、スチリン氏が罹患したのは「クロストリジウム筋壊死」通称「ガス壊疽」であったと思われます。

 病原菌は「クロストリジウム ペルフリンゲンス(Clostridium perfringens)」通称「ウェルシュ菌」と呼ばれる桿菌で、成人の腸内に普通に存在する嫌気性の生物です。

 分かりやすく言うなら、人間のおならが臭いのは、この悪玉菌の出すガスが原因となっている。

 善玉菌の代表がビフィズス菌なら、悪玉の代表がこのウェルシュ菌という私たちに身近な微生物が、この恐ろしい病気を引き起こしてしまう。

 どうしてそんなことになってしまったのでしょう?