政府は6月15日、経済財政運営の基本方針(いわゆる「骨太の方針」)を閣議決定した。メディアでは消費税10%の明記や外国人労働者の受け入れ拡大策が話題となっているが、これ以外にも基本方針には重要な項目が盛り込まれている。それは「定年の延長」である。
消費増税と外国人労働者の受け入れ拡大、そして定年延長は単独の政策ではなく、すべてセットになっていると考えるべきである。日本は今後、本格的な人口減少時代を迎えるが、今回の基本方針には、生涯労働社会へのシフトというメッセージが隠されている。
消費税10%増税が盛り込まれた最大の理由
筆者は前回のコラムにおいて、このところ日本の消費が弱っており、2019年10月の消費増税は景気に大きな影響を与える可能性があると述べた。安倍政権はギリギリまで消費増税を回避しようとしていたフシがあるが、日本の財政状況がこれを許さなかった可能性が高い。
(前回)「日本経済は消費税10%に耐えられないかもしれない」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53333
消費税は増税するものの、当初は増税分の多くを景気対策につぎ込むという、少々ちぐはぐな結果ではあるが、結局は消費増税が基本方針に盛り込まれた。
財政問題を引き起こしている最大の要因は、言うまでもなく社会保障費の増大である。