男女雇用機会均等法から30年余が過ぎ、女性活躍推進法からは3年、日本でも「女性の活躍」がうたわれて久しい。しかし、ビジネスシーンに目を向けると、状況はいまだ「女性の活躍」には程遠い。
「アジアの他の国々と比べても、日本ではビジネスリーダー層における女性の割合が極めて少ないのが特徴」
こう指摘するのは、マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)がアジア太平洋7カ国の女性の地位についてまとめた調査レポート『平等がもたらすパワー(The Power of parity: Advancing women’s equality in Asia Pacific)』の著者のひとりでMGIのパートナー、アヌ・マドガブカー(Anu Madgavkar)氏。
オーストラリア・中国・インド・インドネシア・フィリピン・シンガポールに日本を加えた7カ国についてまとめた同レポートによると、日本の経営幹部層の女性比率は1%、役員でも全体の3%のみである。7カ国の中でも飛びぬけて低い状況だ。そしてその7カ国も、リーダーシップの中での女性比率は13%(2016年、なお2011年には6%)と西洋諸国平均の28%にはいまだ程遠い。
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どのようにして世界で女性の活躍を促すかというテーマで発表されたこのレポートは、女性の社会的活躍、主に労働市場での活躍にあたっての阻害要因を世界各地域で調査し、女性の労働参加や役割のシフトにかかわる方策を提案している。