オバマ大統領にすれば、中国を通貨や通商問題などで国際的な土俵に乗せるための気持ちだったのかもしれないが、果たして中国にその意識があるのか。何しろ通貨問題一つとっても全く譲る気配がない。
通貨問題に全く取り組まない唯我独尊
英FT紙のマーチン・ウルフ氏は「中国がドルを愛するのを嫌がる理由」の中で次のように書いている。
「中国にとって解決策は、今のような規模でドルを買うのをやめ、人民元がより速く上昇するのを認めることだ」
「これは確実に調整の問題を生む。しかし、こうした調整は中国の利益になる。調整を進めないと、中国はさらに多大な外貨準備を積み上げる羽目になり、自国の金融システムを歪め、金融の統制力を失う恐れさえあるからだ」
「しかし、今見られる証拠は、中国はまだ非常にゆっくりとしか動くつもりがないことを示唆している」
そして、最後にこう悲鳴を上げている。
中国のマンションは1億円以上がざらに
「胡主席に対する筆者のアドバイスは単純である。中国があの忌むべきドルの横暴から逃れたいのであれば、買うのをやめろ、というものだ。どうかお願いだから」
中国は現在のような政策を続ければ、中国にとって大きな問題になることは分かっている。すでに過熱した経済は、バブルとなって表面化しているからだ。
大都市の不動産価格は急上昇。高層マンションでは1億円以上の物件がざらだという。日本のバブル最盛期を髣髴させる。
そのため、ここに来て、行き過ぎた投機を防ごうと固定資産税の導入を一部で試み始めている。しかし、焼け石に水とはこのことだろう。