現在の高校生物で、事項の暗記で答える以上に、どのような計算問題や論理的な骨格をもった課題が出されているのか、詳しいことを押さえきれていません。

 ただ言えることは、「中学までの算数数学を超える範囲は出てこない」ということで、国際レベルで考えるなら、赤子の手をひねるようなロジックしか、日本の理科は入試で出題できない、という共通のルールに注目する必要があると思います。

 ここまで見ると、先ほどのジンクスがよく分かると思います。

 高校までの範囲の数理を縦横に使いこなすことができれば、大学以降の物理も、あるいは物理化学のような分野も、生物物理なども、かなりスムースに入っていくことができます。

 他方、高校で物理が得意、でも大学レベルでの物理にはちょっとギャップがあるという場合には、論理演算については中学レベルまでの内容に過剰適応しており、理論科学の側面以上に、現場での化学実験などに進む方がスムースなことが多いと解釈すればしっくりします。

 また、高校で化学が得意だった人にとっては、大学レベルの生物のコアは、つまるところ生化学と細胞生物学の合わさったものなので、ケミストリーに慣れた人が生物学、生命化学、バイオテクノロジーに進みやすいという話になる。

(これは、35年ほど前の経験では記憶しますが、現状違っていたらお許しください。ただし、生化学のない大学教養生物はあり得ませんから、大きく外れることはないでしょう)

 ここで盲点になりやすいのは、国際的には微積分でも初等関数でも、それらを縦横に活用する統計学など計算機を活用する諸分野も、現実の生命科学では主役を演じているわけですが、日本の教育制度の分断からは、必ずしもそれらの専門と、学生の学習準備とが直結していない。

 ここに問題があるのではないでしょうか?