残念な現実を記すところから今回は始めたいと思います。
日本の大学院は不人気です。
大学院修士課程への進学志望者も減っていますが、博士課程の充足率は「がらがら」という表現が外れないものになっている。
「少子高齢化のため」ではありません。「進学率」「充足率」ですから、本質的な不人気です。
日本の大学は1990年代の「大学院重点化」によって、学部に比べて大学院の比重が著しく増大し、学生定員も大きく増やされました。
つまり、椅子は増えた。しかし少子高齢化で学生の絶対数が減っている。加えて、その少ない学生の中で、大学院は全く人気がない。
踏んだり蹴ったり、これではどうしようもありません。こうした事態を、どのように考えればいいのでしょうか?
ことは学術で、本質的には国境によって左右されるべきことではありません。まずは国際情勢から見てみたいと思います。
前回、「シリコンバレーの成功者は紙と鉛筆から」と記したところ、これに対して「そんな、ごく一部少数の例外を挙げても・・・」といったリアクションがあるのを目にしました。でもこれは間違っています。
現実のシリコンバレー、例えばパロアルトなどの「いま」を見れば、全く違った状況であるのは、知る人には自明のことでしょう。
例えばの話、ベンチャーキャピタル(VC)周りだけで考えても、インド人とか中国人があふれています。