オランダ名門大学、中国キャンパスの設立計画を中止

大学で講義を受ける学生ら(2017年10月25日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / dpa / Stefan Puchner 〔AFPBB News

 残念な現実を記すところから今回は始めたいと思います。

 日本の大学院は不人気です。

 大学院修士課程への進学志望者も減っていますが、博士課程の充足率は「がらがら」という表現が外れないものになっている。

 「少子高齢化のため」ではありません。「進学」「充足」ですから、本質的な不人気です。

 日本の大学は1990年代の「大学院重点化」によって、学部に比べて大学院の比重が著しく増大し、学生定員も大きく増やされました。

 つまり、椅子は増えた。しかし少子高齢化で学生の絶対数が減っている。加えて、その少ない学生の中で、大学院は全く人気がない。

 踏んだり蹴ったり、これではどうしようもありません。こうした事態を、どのように考えればいいのでしょうか?

 ことは学術で、本質的には国境によって左右されるべきことではありません。まずは国際情勢から見てみたいと思います。

 前回、「シリコンバレーの成功者は紙と鉛筆から」と記したところ、これに対して「そんな、ごく一部少数の例外を挙げても・・・」といったリアクションがあるのを目にしました。でもこれは間違っています。

 現実のシリコンバレー、例えばパロアルトなどの「いま」を見れば、全く違った状況であるのは、知る人には自明のことでしょう。

 例えばの話、ベンチャーキャピタル(VC)周りだけで考えても、インド人とか中国人があふれています。