英外相、人型ロボットと対面 早稲田大学訪問で

早稲田大学の喜久井町キャンパスで、人型ロボット「Wabian2」を見学する、英国のボリス・ジョンソン外相(中央、2017年7月20日撮影)。(c)AFP/Eugene Hoshiko〔AFPBB News

 今年の2月20日前後だったか、ツイッターで知らせてくださる方があり、私の文章が早稲田大学文学部の入試問題として出題されたらしいことを知りました。

 追って、3月に入った頃でしたか、武士の情けであえて名前は伏せますが、ある受験産業から、問題をネットにアップしたいので、その承諾の著作権確認の問い合わせが、メールと封書でありました。

 メールも封書も「伊藤先生」と、私の苗字が誤字で記されていました(苦笑)。

 「そういう注意力の程度での受験指導だったら、ろくなことないんじゃないですか?」と過不足ないコメントとともに、オーケーの返事を送りました。「赤本」の類からも著作権の問い合わせが来ていました。

 実際ネットに、これは読売新聞のサイトのようですが、問題(参照=http://www.yomiuri.co.jp/nyushi/18/sokuho/waseda/1292977_5413.html)が出ていますが、新聞社から著作権の問い合わせはないな、と思っていました。

 これはどうやら著作権法41条の「時事の報道のための利用」に基づき、 報道目的の紙面やサイトで時事の事柄を扱う場合には著作権保護が制限されるので、入試問題の掲載に著作者の許諾は必要ない、との解釈に基づくらしい。

 この出題には、私の「なぜ猫は鏡を見ないか」(2013年1月26日刊)から取られているので、予備校などからは著作権の確認が来るわけですが報道機関は、報道目的利用であるという前提で、各大学から問題文の提供を受けているようです。

 さて、メディアや受験産業の瑕疵には辛口になりやすいですが、問題を拝見して、出題自体は心からありがたいな、すばらしい切り口だな、と正直感謝の念を持ちました。

 というのは、私自身も、入試とは言いませんが、「出題者」という立場に立って長いので、問題を作る際の工夫や苦労、出題のセンスといったものには、思うことがたくさんあるからです。

 ただし、「現代国語」の問題を作ったことは生まれてこの方、まだ一度もありません。定期試験に理系で出題している私の文章が、早稲田の文学部で国語の入試に出るのは、ちょっと面白い現象です。

 でもこれは、ロジカルに堅固な議論を展開した骨子にレトリックで魂を篭めている文章なので、まずは出題以前に、出題者の先生が私の本を読んで下さったこと、その理解の鋭さ、深さに、強く心動かされました。