ずらりと並ぶキャンバスで「勝負」 中国の美大、6400人が入試に挑む

ずらりと並ぶキャンバスで「勝負」 中国の美大、6400人が入試に挑む 。写真は約6400人が受験した入学試験(2018年2月24日撮影)。(c)CNS/張勇〔AFPBB News

 新年度になりました。私もかれこれ20年間、大学の教壇に立っていることになり、早いものだと改めて思います。初期の学生諸君はすでに不惑を超えました。

 私が、大学の比較的大きな壇上から新入生諸君に入学式の言葉などを贈ることは、まずないと思いますので(苦笑)、今回は「仮想新入生」向けの「バーチャル祝辞」をお届けしたいと思います。

 あくまでバーチャルですから、スパイスの効いた形で・・・。

 仮想新入生向けの「祝辞」ではあるものの、そのご父兄にあたる、よりシニアの年齢の皆さんにも、いろいろご意見(異見かもしれません)があるような、やや辛口の「祝辞」にしてみたいと思います。

 もし仮に、現実に私が壇上で話すような折があれば、普段の連載で書いているように、聖書とかプラトンとかマックス・ヴェーバーとか、もう少し有難そうなお話を準備せざるを得ないでしょう。

 ですが、そんなお話はほとんど役には立たない。ここでは、50歳前後の教員が、新入生向けの特別講演の後、フレッシュマンたちを喫茶店に誘い、お茶をしながら教えてくれる「本当のこと」と思っていただくといいと思います。

 実は私自身、今を去ること30数年前、そういうお話を同じようなタイミングでうかがうことができ、それが大変に役立ったのです。

 ご指導くださったのは宇宙物理学者の杉本大一郎先生で、東京大学の新1年生向けに講演された後、壇まで質問にうかがった学生たちを「よかったらお茶でも飲みましょう」と井の頭線の小さな踏み切りを渡った所にあった喫茶店に誘ってくださったのです。

 知のプロフェッショナルとなるうえでの大学での学び方のコツを、よくわきまえることができました。

 同様のことは、どんな学年、あるいは新卒社会人、異動直後の大人にも、ほとんどそのまま役にたつように思います。とはいえ、以下の論旨はもっぱら私に文責があります。

 では早速、始めましょう。