「KDDI Interactive Display」サービスの「マルチタクション」ディスプレイ。オブジェを置くと、オブジェに反応して画面が変化する。

 街中で見かける広告と言えば、かつてはポスターや看板が主流であったが、最近では首都圏の駅などを中心に、デジタルサイネージを活用したものが珍しくなくなってきた。また、イベント会場での来館者への情報提供にも、デジタルサイネージは広く活用され、コンテンツもインパクトを競うものが多く見られるようになっている。

 しかし、それらの活用は、最初は物珍しさから注目を集めるが、普及が進むと新奇性だけでは差別化ができなくなる。誰に対して、どのようなコンテンツで、何を伝えていくのか、きちんと効果を測定し、分析して、効果的な活用の方法を考えなければならない。

 これからのデジタルサイネージの活用を考えるうえで、1つの新たなサービスを見てみたい。KDDIは2018年4月より、「KDDI Interactive Display」という、ディスプレイとサーバー、アプリケーション、コンテンツなどを一体のパッケージとしたサービスの提供を始めた。

ブランディングへの活用にも

 ディスプレイの上位機種「MultiTaction(マルチタクション)」は、タッチポイント数は無制限で、同時に何人でも操作することができる。ディスプレイのサイズは55インチで、最大32面まで連結することが可能だ。

 タッチポイント数や接続端末数などを抑えた廉価版のディスプレイも用意しており、イベントでのスポット利用や導入前の試用として、レンタルのサービスも提供する。

 KDDIでは2018年4月から、本社の来客用の待合スペースのリニューアルの一環として、このマルチタクションディスプレイを2台設置した。

マルチタクションディスプレイが2台設置された、KDDIの来客用待合スペース。

「以前の待合スペースでは、歴代の携帯電話やパネルなどを並べていましたが、基本的にただ展示するだけだったという反省点がありました」。KDDI 宣伝部 ブランドプロモーショングループ グループリーダーの西原由哲氏は、導入の経緯をこう語る。つまり、以前の待合スペースは来客とコミュニケーションを図る機能を果たしていなかったということだ。