1つは、タッチログ分析サービス。ディスプレイのどこを触ったのかを分析することで、客がどの時間帯に、どの商品に興味を持ったのかなどのレポートを分析する。

 2つ目は属性分析。ディスプレイのそばにカメラを設置することで、タッチした人の性別や年齢層などの情報を詳細に分析する。

 そして、KDDIがすでに持っている「KDDI IoTクラウド Data Market」のデータセットと重ねることで、来日外国人のデータなど、人の動きも合わせたトータルな分析を行う。

 このようにKDDIの既存ツールやデータ分析技術などを組み合わせることで定量的な分析が可能になり、コンテンツの改善や新たなマーケティングの展開が可能になるというわけだ。

会議のスピードも変わる?

 現在、デジタルサイネージは主に広告やイベント時など社外の人への発信に用いられているが、このディスプレイは社内会議での活用も想定している。

 タッチパネルに書き込んだ内容は、画面キャプチャなどでデータを保存し、吸い出すこともできる。ホワイトボードに書き込んだり付箋紙を貼っていくという、これまでの作業を置き換えるかもしれない。

 また原田氏は、活用次第で会議の密度やスピードが変わるとも言う。

「参加者それぞれが資料を紙で持ち寄って、どれを説明しているか分からないような会議ではなく、さまざまなデータを同時に表示して自由に切り替えることができますので、意識を1カ所に集中した議論を進められるのではないでしょうか」

 デジタルツールとのインタラクティブなやり取りが当たり前になる時代。デジタルサイネージもどのようなコミュニケーションを生み出すか、ユーザーのアイデアが試されていると言えるだろう。