韓国を代表する鉄鋼メーカーであるポスコの権五俊(クウォン・オジュン=1950年生)会長が、2018年4月18日の理事会(取締役会)で辞任を表明した。
権会長は2017年3月に再任になり、任期を2年残していた。健康上の理由というが、政権交代ごとに会長が交代することを今回も繰り返してしまった。
「ポスコの新しい100年を作るためには変化が必要だ」
権会長はこの日、予定になかった理事会を招集し、こう語って会長退任を表明した。
累積疲労、個人的な意向を強調するが…
ポスコ関係者は韓国メディアに対して、「このところ疲労が累積していたようだ」とも語り、あくまでも「個人的な強い意向」であることを強調した。
ところが、韓国メディアでも産業界でもこれをそのまま受け取る向きはほとんどない。
というのも、ポスコは創業以来ずっと会長が任期をまっとうしないまま「中途退任」してきたからだ。最近は、政権交代とともに、会長が不本意ながら退任する例が続いていた。
では、ポスコは公企業なのか、といえば、そんなことはない。ポスコは国営企業である「浦項総合製鉄」として設立されたが、2000年までに政府が保有株式をすべて処分し、「完全民間企業」になっている。