雇用問題を最優先の経済政策に掲げて文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権が登場してから10か月が過ぎたが、青年失業率が高止まったままだ。
国内での就職をあきらめて「求人難」が続く日本企業に就職する韓国の若者も急増している。
「日本で就職する韓国の青年が2万人を突破」
2018年3月9日付の「毎日経済新聞」はこんな記事を1面トップに掲載した。
記事によると、日本の法務省から「技術、人文知識、国際業務」などのビザを取得した韓国人は2017年に初めて2万人を超え、2万1088人になった。
2015年以降急増する日本での就職
2014年には、1万5429人に過ぎず、ここ数年の急速な増加は、韓国での空前の就職難から、就職先として日本企業に目を向けた若者だと見られる。
確かに、最近、ソウルで、「日本企業就職セミナー」や企業説明会が相次いで開催され、いずれも多くの参加者を集めている。
それだけではない。筆者の周辺でも、ここ数年、韓国での就職難を見越して、日本の大学に留学して、そのまま日本企業に勤務するようになったという話をあちこちで聞く。
日本企業の側も、韓国の若者の採用に力を入れている。商社や製造業などで、ソウルで、新卒や経歴社員の採用に乗り出している企業が目に見えて増えてきた。
つい10年ほど前、留学先として日本を敬遠して、米国や中国にどんどん流れていったのとは、かなり変わってきたような印象を受ける。
日本企業の待遇が良いから志願するのかと言えば、そうではない。