ハノイからハイフォン、あるいはホーチミンからビエンホア、フーミーに工業地帯が広がるベトナムや、自動車工場が集積した東部臨海の発展が国全体の経済発展を底支えしたタイのようなイメージだ。
もちろん、関係者が広がれば、その分、要求される苦情対応の水準もレピュテーションリスクも高まる。
しかし、唐澤所長は「ティラワSEZで国際水準の対応を実現し、ティラワモデルを確立することで、この国の公共投資事業に関わる地方政府や役人たちの考え方も変革していきたい」と意欲的だ。
その隣で、「ゆくゆくは、ティラワに投資することがすなわちSDGsビジネスであり、ESG投資につながると言われるようになれたら」と菊池さんは期待する。
この地区が野っ原だった時から、単なる融資にとどまらず、時に厳しく、かつ丁寧にミャンマー側に働きかけ、社会配慮について技術移転してきた自負がにじむ。
「もともと“売り手良し”“買い手良し”“世間良し”の三方良しの精神を持っている日本企業」(清水社長)が、今後、世界の注目を集めるティラワSEZを舞台にSDGsビジネスやESG投資をどう体現していくのか。その挑戦から目が離せない。