人生100年時代を迎えるにあたり、一生の中で複数のキャリアを築くことの必要性が唱えられている。定年退職後にどんな仕事に就くか今から考えを巡らせている読者も多いのではないだろうか。
定年後も仕事をする場合、それまで勤めていた企業での再雇用や、自分の経験やスキルを生かせる仕事に就くのが王道だろう。だが、自分が本当に好きだったこと、やりたかったことを振り返ってみると、思いもよらない道が開けるかもしれない。吉岡茂樹さん(65歳)のセカンドキャリアはまさにそんなケースである。
吉岡さんは日立製作所および関連会社で一貫して情報システムの営業に従事。60歳で定年退職したあと、異色のセカンドキャリアをスタートさせた。それは乗馬インストラクターの仕事である。現在、吉岡さんは名鉄乗馬クラブ クレイン東海(三重県桑名市)で週に3日レッスンを受け持ち、クラブ会員に乗馬を教えている。
なぜ吉岡さんは乗馬インストラクターになろうと思ったのか。どんな方法でなることができたのか。吉岡さんにキャリアの枠を飛び越える方法を語ってもらった。
スポーツクラブで見つけたチラシ
1975(昭和50)年に日立に入社しました。最初の配属は名古屋営業所(のちの中部支社)でした。何度か転勤はありますけど、ほぼ中部支社でお世話になりました。仕事は営業です。主に金融機関向けの情報システムをずっと担当しました。東海銀行さんがお客様だったこともあり、金融向けシステムは中部支社でかなり大きな金額を売り上げていました。いい環境で仕事をさせてもらったと思います。