「サステナブル・ブランド国際会議 2018 東京」の基調講演に登壇したサントリーの新浪剛史社長

「サステナビリティへの取り組みは(利潤と引き換えにするような)トレードオフではなく、結果として企業利益にもかなう“トレードオン”になり得る」──。
 サントリーの新浪剛史社長は、2018年3月1日~2日に開催された「サステナブル・ブランド国際会議 2018 東京」の基調講演に登壇し、サステナビリティ(社会や環境の持続性)に対する経営者としての考え方と、サントリーとしての取り組み内容を披露した。
 新浪社長は、環境保護や社会課題の解決といったサステナビリティへの取り組みは決して利潤と引き換えにするものではなく、事業を成長させる大きな力になるという。そもそもサントリーでは、創業者が打ち出した経営ポリシーにサステナビリティの考え方が組み込まれていた。創業以来連綿と続くサントリーのサステナブル経営の考え方とは?

健全な地球環境なくして事業は成り立たない

 ESG(環境・持続性・ガバメント)投資の考え方が世界中で急速に広がっている。サントリーはサステナビリティと企業経営の関係についてどう認識しているのだろうか。

新浪剛史社長 多くの経営者は、もちろん環境や社会に貢献したいと思っているし、サステナビリティを重視しているはずだ。だが、取り組みがトレードオフ、つまり利潤と引き換えなのだと考える傾向は相変わらず強い。

 私が考えるに、サステナビリティは“トレードオン”だ。つまり環境問題に積極的に取り組み、社会課題の解決を事業に組み込んでいくことで、事業が成長する。成長する中でさらに環境問題や社会課題に取り組む。このサイクルをしっかり回していくことが重要だ。