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(文:堀内 勉)

 去る12月2日に日本財団で行われた「Bコーポレーションを知る会」に出席してきた。Bコーポレーションという言葉は聞き慣れないかも知れないが、アメリカの非営利団体B Labが運営する、社会的責任や持続可能性などを評価する認証制度で、「TransFair」がフェアトレード・コーヒーを認証するのと同じように、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証である。

「B」は「Benefit」(ベネフィット=利益)のことであり、環境、コミュニティ、従業員などの様々なステークホルダーの利益を意味している。アウトドア用品のパタゴニアを始め、現在までに世界50カ国で、約2000社が取得している。日本にはまだBコーポレーションのような認証制度は見られないが、日本でもBコーポレーション認証を取得した企業が既に3社ある。

 この時の司会を務めていたのが本書『最後の資本主義』の翻訳者の雨宮寛氏であり、その会で本書が紹介されたので購入して読んでみた。

 著者のロバート・ライシュ教授については、アメリカの経済格差問題について特集したドキュメンタリー映画『みんなのための資本論』への出演を、テレビで見ていたこともあり覚えていた。

 ライシュ教授は、ハーバード大学ケネディスクール教授、ブランダイス大学社会政策大学院教授を経て、現在はUCバークレー公共政策大学院教授であり、『暴走する資本主義』や『格差と民主主義』などの著書で知られる著作家でもある。