米国の市場調査会社IDCが、このほどまとめた最新レポートによると、昨年(2017年)1年間の世界スマートフォン出荷台数は、前年から0.5%減少した。
2017年がその年だった
同社によると、我々が後にスマートフォンと呼ぶことになった、これらの機器が登場して以来、その年間出荷台数が前年実績を下回るのは、初めてのこと。
過去10年以上にわたり成長を続けてきたスマートフォン市場は、いつかその規模が縮小すると予想されていたが、2017年がその年だったという。
2017年のスマートフォン世界出荷台数は、14億6200万台だった。世界最大の市場である中国が5%減となったことが大きく響いたという。ただし、EMEA(欧州・中東・アフリカ)も3.5%減少したほか、米国市場も横ばいとなるなど、振るわなかった。
製品の差異化が難しく
IDCは、スマートフォン市場がこうして、転換点を迎えた原因として、メーカー各社の技術革新競争が一様になってきことを挙げている。
例えば、これまでのメーカー間競争の中心は、ハードウエアデザインだったという。しかし、各社がこぞって、大型ディスプレーやベゼルのないデザインを採用したことで、これらの要素で製品を差異化するのが難しくなってきた。