エネルギー事業で地域にお金を回す取り組みが広がっています。
現在、私たちが毎日使う電気は、主に大手電力会社によって供給され、その燃料の多くを化石燃料に頼っています。そのため、電気を使えば使うほど、お金が海外を含めた地域外に出ていってしまう構造となっています。この電気によるお金の地域外流出を少しでも食い止め、地域内で循環させるための取り組みが広がっているのです。
本稿では、まず電気代の構造についてご紹介するとともに、地域エネルギー事業による地域経済効果についてご紹介します。
電気料金の構造
電気料金の主な構造を小売電気事業者の視点から見ると、(1)電力調達料金、(2)託送料金、(3)一般管理費、(4)利益、に分けられます。
(1)の電力調達料金は、電気を作るための費用で、現在の日本では主に化石燃料による発電に依存していますので、大部分が海外に出てしまうことなります。
(2)の託送料金は、大手電力会社の送配電網を利用して電気を送るための費用で、こちらも地域外に出てしまいます。
(3)と(4)は、電気を販売する会社の一般管理費と利益です。電気の購入先に地元の電気会社を選ぶことで、この部分を地域内で循環させることができます。