「空のタクシー」で大渋滞回避、格安ヘリ配機アプリ登場 ブラジル

海外ではヘリコプターが空のタクシーと呼ばれることも。写真はブラジル・サンパウロ上空をヘリコプターで移動し目的地に到着したブラジル人実業家のグスタボ・ボイドさん(2017年6月23日撮影)。(c)AFP/NELSON ALMEIDA〔AFPBB News

 佐賀県神埼市で発生した自衛隊のヘリコプター墜落事故、原因究明と再発防止の徹底が必要なのは言うまでもありません。

 「近くに田んぼもあったのに、どうして住宅地だったのか?」「自衛隊員はその種の訓練を徹底しているはずなのに」

 といった指摘のほか、あろうことか被害者に対する匿名の罵詈雑言までネット上には様々な「意見」が見受けられました。

 そこで、こういう「意見」をいちいち珍重すべきかと問われたとき、とんでもないという正気の答えが必要だと思うのです。

 今回の事故は、近隣の自動車教習所の車に搭載されたドライブレコーダーが一部始終を映像で記録しており、その動画(参照=https://www.asahi.com/articles/ASL263GFLL26TTHB00J.html)が報道されているので、ご覧になった方も多いと思います。

 この画像を見て、中学・高校生で習う範囲の物理をごく普通に適用するだけで、明確に分かることがいくつもあります。

 マスメディアが提供する情報を斟酌判断する力を「メディア・リテラシー」と呼び、またとりわけ科学情報を検討する力を「科学リテラシー」などと呼んで、その充実の必要性が叫ばれて久しいですが、このような局面にこそ、冷静で客観的な科学の目が必須不可欠と思います。

 かつて、理論物理学者のリチャード・ファインマン(朝永振一郎博士、ジュリアン・シュヴィンガー博士と共に1965年ノーベル物理学賞受賞)は、彼の最晩年に当たる時期、スペースシャトル・チャレンジャーの爆発事故の原因究明を委嘱されました。

 現場の細々したファクトの収集から始めて、ついに機体の気密を保つ「Oリング」という部品のゆがみと、高空での温度低下による硬化などが重なって、事故が起きたことを突き止めました。

 その端緒は、誰もが目にしていた最初の爆発炎上画像から明らかな予感を得たものでした。誰もが見ている公開情報から、何をどのように考えるかが問われる典型的なケースになっていると思います。