鳥井:そのほかにも目指しているものはありますか。
川井:肉腫のような希少がんの領域では、一つの国だけで大規模な臨床試験を実施したり、新たな薬、エビデンスを創出したりしてゆくことは困難ですので、国際的な協力が欠かせません。欧米、アジアの研究者や学会との緊密な連携を図っていきたいと思います。
もう一つ、新たな学会が重視しているのは患者さんとの連携です。全ての肉腫医療は、突き詰めると患者の命、QOL、満足度の向上を目指した医療者と患者の協働作業にほかなりません。そのもっとも重要なパートナーである患者さん、患者会の方々と一緒に、これからの肉腫医療のあるべき姿を考えてゆきたいと思っています。
新たな学会はMultidisciplinary(集学的)であると同時に、International(国際的)、Patient-oriented(患者さん中心)であることを目指したいと思います。
患者家族の経験のある医師として伝えたいこと
鳥井:川井先生は、患者家族の経験のある医師として、患者さんにどんなことを伝えていきたいと思いますか。