小池百合子都知事、ファッションという名の大きな「武器」

東京都の小池百合子知事。(c)MODE PRESS/Yoko Akiyoshi 〔AFPBB News

文中敬称略

 「最も高い『ガラスの天井』を打ち破ることができなかった。でも、誰かがきっと打ち破るでしょう。思った以上にその時が、早く訪れることを願っています」

 希望の党代表の小池百合子は、昨年11月、米大統領選でそう敗戦の弁を述べたヒラリー・クリントンと自分を比較するのが大好きだ。

 昨年7月の都知事選に圧勝し、女性初の東京都知事に就任した小池は、米CNNのインタビューでもヒラリーの弁を例に挙げ、「日本の場合、ガラスの天井というより、“鉄”の天井。(米国より)もっと固く、差別的で、打ち破るのは相当大変だ」と強調。

 自分の挑戦はヒラリーより困難だと、あえて誇らしげに言っているように見えた。

画像にはっきり映る小池の野心

 総裁選の前哨戦とも捉える都知事選で“鉄”を打ち破ったと、満面に笑みを浮かべ、画面の向こうの世界の視聴者に、“自分ファースト”のお得意パフォーマンスを展開した。

 テレビはリアルだ、とよくいう。画像というのは、時には、何千の言葉より、鮮明にその真意を映し出すと言われるからだ。テレビ出身の彼女が、得意とする“技量”でもある。

 そう、将来的に日本の政治家のトップを狙おうとする小池の大いなる野心がギラギラ映し出されていた。

 彼女は放送、筆者は活字で、同じメディアでも、世界はまるで違う。しかし、メディア界の先輩として、それこそ中国の台頭を目の前に、日本の国力を上げ、「頑張って世界を引っ張ってほしい」。まずは首都の東京から、と願っていた。

 しかし、その願いは落胆とともに消え去られた。豊洲市場移転問題をはじめ、「改革」を最優先に掲げたものの、ある市民団体の代表は次のように怒りをぶつける。

 「都議選を前に、決められない批判をかわし、選挙戦を有利に運ぶための“選挙ファースト”の『豊洲移転、築地再整備』の方針を打って出て、財源確保の保証もないまま、都民や市場関係者を雲にまき、大勝利」

 「さらに、民主的合意形成はスピード性に欠けるといえ、情報公開どころか密室で、しかも独断で、過去の知事の責任追及を示すことで、自らの対応への批判をかわすなど、小池さんは『東京大改革』というよりか、あえて保身のため、都政を混乱させることに終始していたようにも見えた」