中国や韓国が思いっ切り国際化へ邁進している一方で、日本は海外より国内志向を強めている。とりわけ若い世代は内向きで、国際化どころか、東京など大都会へ出てくる意欲も見せず地元志向なのだという。
中国、韓国の勢いに比べて日本は何たる・・・
こうした傾向を「いかん、いかん。日本をガラパゴスにしてはいかん」と、中年過ぎの大人たちは私を含めて異口同音に危機感を口にしてきた。
確かに、お隣の国々の勢いには目を見張るものがある。
その姿はいくつもの記事で紹介してきた。例えば、「韓国に絶対勝てない日本、理由は教育にあり」「成長戦略でもたつく日本、素早い韓国の後塵拝す」「中国で人気を博すディズニーの学校」など。
しかし、この記事「現代日本の繁栄は、江戸時代の鎖国に源流あり」を読むと、全く別の視点が見えてくる。何だか胸の奥に潜んでいたもやもやが晴れたようにさえ感じる。
江戸時代の鎖国政策には、これまでプラス面とマイナス面の両方が盛んに議論されてきたが、この記事のプラス論にはとりわけ納得させられるものがある。
江戸時代、鎖国政策は取りながらも、実のところはオランダとの交易は続けていたのは周知の通り。
当時のオランダは宗教的にはプロテスタントであり、宗教的制約だらけになっていたカトリック国とは違い、自由な環境で科学技術が急速に進んでいた国の1つだった。
日本は錆びついた伝統に縛られていた国々からの影響をシャットアウトする一方、当時の最先端の国とは付き合いを深めていた。
錆びついたシステムから隔絶することも成長の条件
その蓄積があるからこそ、明治維新後に画期的な成長を遂げることができた、というのである。
ならば、日本のトップマネジメントにリーダー不在で指針が示せない現状では、どうせ決めても後で二転三転する政策はやめて、時の流れに身を任せるのも面白いかもしれない。
若者たちが田舎にいたいのであれば、それは良いではないか。海外に行きたくないのであれば、それも良いではないか。ガラパゴスの何が悪い。“鎖国”の何がいけない。