1992年1月1日に1万6421ウォンであった株価が、2010年10月1日には77万2000ウォンとほぼ50倍にまで急成長した。

サムスン電子の株価は50倍、ソニーは半分に

ソニー、新型携帯機器を開発中 アップルに対抗

アップルに買収されるとの噂が絶えないソニー〔AFPBB News

 この数字は韓国サムスン電子の株価推移である。一方、同時期のソニーの株価は、4400円から、2561円と半分近くに減ってしまった。

 現在の株式価値は、サムスン電子が約8兆円、ソニーが約3兆円。手元資金が4兆円程度あるアップルがソニーを買収するのではないかとの見方が市場を駆け回っているのは、あながち噂だけではないのではないだろうか。

 一方で、ソニーを目指し、そしてあっという間に抜き去ったサムスン電子はさらなる成長をうかがっている。

 この差はどこから来たのであろうか?

 1つの要因は、韓国の教育が生んだ競争力の高い労働力と、それを使いこなす経営陣・企業文化にあることは明らかだ。

大学入試ではパトカーを動員、遅れた学生を試験会場に送り届ける

 韓国の教育は異常とも言えるほど過熱している。ソウル大学など韓国の有名大学に入るために、日本のセンター試験と言える修学能力試験に向けて、韓国の多くの子供・両親が必死になっている。

 日本のセンター試験に比べても、その修学能力試験への政府の気の使いようは尋常ではない。試験日は、企業や官公庁の始業時間が変更になり、パトカーなどが遅刻した学生を受験する学校まで送り届けるといった具合に至れり尽くせりである。

 この教育熱は、サムスン電子をはじめとする韓国の一流企業の国際化とともに、さらに進化しているのである。

 どのような変化か、詳しくみてみよう。