誰もがすぐ解ける極めて簡単な詰将棋を見せられているようだった。この手を打てば、次の手は容易に想像がつく。実際その通りに運んでいるのが、今の政局だろう。

社民党に擦り寄った民主党の自爆テロ

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~The Economist 日本特集(8/10)~

 衆議院で再可決するために必要な6人を確保するために、社民党に再び擦り寄った民主党。

 そのためには年末に発表する予定の新防衛大綱に織り込む予定だった武器輸出三原則の見直しを引っ込めることも辞さなかった。

 ついでに民主党の岡田克也幹事長は小沢一郎氏の国会招致の実現にも動き出した。

 国会招致しなければ年明けの通常国会で野党の協力が得られないためだという。

 将棋を習い始めたばかりの子供が打つような手である。飛車や角が攻められて、その対応に大わらわ。

 自らの玉が危うくなることなど全く目に入らない。次に王手をかけられて、しまったと思っても後の祭りである。

 案の定、小沢一郎氏は離党を匂わせながら政界再編へと動き出した。

 12月9日には早速、鳩山由紀夫前首相や弟の鳩山邦夫元総務省、新党改革の舛添要一代表と会合。

 大連合を唱える読売新聞社の渡辺恒雄会長までがまたぞろ動き出した。

 社民党から6人を連立政権に引き込めたとしても、民主党内が分裂の憂き目に遭ってしまえば元も子もない。民主党は残念ながら最悪手に近い手を打ってしまったようだ。