マット安川 延坪(ヨンピョン)島への砲撃という大変な状況の中、来日して出演いただいた池東旭(ち・とんうく)さん。北朝鮮の砲撃は「ヒット&アウェイ」、撃っては引いて状況を見ていると分析し、韓国側の弱腰な対応を激しく糾弾されました。

 また、日本のメディアが韓国以上に騒いでいると指摘。このほか、独自の取材・視点からのご意見をたくさんうかがいました。

目には目を。韓国は北朝鮮に毅然と対抗すべき

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:池東旭/前田せいめい撮影池東旭(ち・とんうく)氏(右)ジャーナリスト 韓国慶尚北道大邱生まれ。韓国日報勤務を経て、1981年『週刊韓日ビジネス』を創刊。経済、国際問題など朝鮮半島の諸問題に関する論評を展開する。 (撮影・前田せいめい)

 今回の北朝鮮の砲撃事件について、日本のマスコミは大きく騒いでいますけど、韓国人はそれほど深刻には受け止めていません。

 朝鮮戦争が終わって55年、今も休戦状態なんです。いつ戦争が起こるか分からない。だから、韓国では現在も毎月15日に防空演習をしています。

 私はこれ以上の戦争はないと見ています。北の連中はいつもヒット&アウェイです。1度やってみて、こちらが強く出るとさっと引く。でも油断すると、またパッとやるわけです。今回もミサイルは使わなかった。限定攻撃、脅しですよ。

 実際、韓国国民も戦争はやりたくないというのが本音です。特にソウルは休戦ラインから近く、戦争が起きれば真っ先にやられる。火の海になります。だから、戦争はやりたくない。しかし、それが弱腰に見えてしまうんです。

【図解】朝鮮半島・軍事境界線付近で起きた主な衝突

朝鮮半島・軍事境界線付近で起きた主な衝突〔AFPBB News

 私が韓国に対して怒りを感じるのは、これまでずっとやられっぱなしだったことです。今回だけではなく、今年3月にも哨戒艦の沈没事件がありました。

 昔から北の連中は南に対して挑発行為を繰り返してきた。しかし、韓国はずっと我慢してきた。だから北の連中は調子に乗っているんです。韓国は受けて立たなければダメなんです。目には目を、歯には歯をですよ。

 私は北の連中は許せないと思っていますが、たった1つ高く評価しているのは、政府樹立から62年、南に対して赤化統一、武力統一するというマニフェストがぜんぜんブレていないことです。韓国は揺さぶれば金を出す、脅かせば金を出すと考えている。

 それに対して、韓国の大統領はこれまでに10人いますけど、政権が代わるたびに、太陽政策など対応が変わる。ブレる。だから北の連中は、韓国は御しやすいと考えているんです。