国際アニメ・マンガ・ゲーム博覧会が開催、上海

国際アニメ・マンガ・ゲーム博覧会が開催、上海。会場に訪れたコスプレイヤー(2017年7月6日撮影)。(c)CNS/陳玉宇〔AFPBB News

1.日中の大学生が自主的に実行する日中学生交流プログラム

 ここ数年、夏になると楽しみにしている大学生との交流の場がある。日中両国の大学生がそれぞれ約20人ずつ、計40人程度の学生が参加する交流プログラムである。中国人の学生は、中国本土から参加する学生が多いが、日本の大学に在学中の留学生も加わる。

 このプログラムは2012年9月の尖閣諸島領有権問題を機に最悪の状態に陥った日中関係を何とか改善するために、自分たちでも何かできないかと考えた当時の大学生が2013年にスタートさせた。

 すべて学生自身が自主的に計画し運営する素晴らしい活動である。彼らの強い熱意に応えて、日本を代表する製造業、サービス業、金融機関、メディア、学者、経営者、政府機関などが協力している。

 夏の交流プログラムは毎年8月後半、1週間強の期間で、東京をベースに企業訪問や工場見学を通じて日本企業の経営に対する考え方、中国ビジネスの現状、中国に対する見方などを学ぶ。

 参加者は日中両国の学生を組み合わせた数人が1組になったグループに分かれ、グループごとに行動する。夜は宿舎で企業訪問から学んだ内容を整理して意見を交わす。

 加えて、日中双方の学生が相手の国の社会生活の実情、歴史認識、領土問題、文化的な土壌の違いなどをテーマにフランクな意見交換を行い、互いの共通点や相違点を肌で感じ合う。

 参加メンバーが高い問題意識を共有し合うことにより相互に啓発され、様々な議論を通じて相互理解が進み、誤解に基づく偏見や差別の意識が消えていく。相手国に対する認識が変わり、自身の生き方に対する意識が高まり、国境を越えた熱い友情が育まれる。

 プログラムの最後の方では各グループがこのプログラムから学んだ成果を整理して、参加者および講演・企業訪問などで協力してくれた企業関係者ら全員の前でグループごとにプレゼンテーションを行う。

 そのプレゼンは、日中参加者同士の相互理解・尊重・啓発によって得られた大きな感動、そして、この交流での経験を活かして日中両国の相互理解促進のために貢献したいという高い志にあふれる内容だ。