転職活動した時、よく「あなたのキャリアにはどんな一貫性があるのか」と説明を求められたのですが、一貫していたのは、置かれた状況の中で一番やりたいと思ったことをやっただけ、つまり「自分の心の声に従った」ことだけでした。だから、「一貫性なんて説明できないよ! 説明したって分かってもらえないだろうし・・・」と心の中で毒づいていたものです。

 人生二毛作、三毛作、そして二股・三股が普通になる世の中っていいなって思います。

 私のような考え方を持つ人は、もちろん少数派だと理解しています。大学を卒業したら、つぶれなさそうな会社に入って、そのまま定年まで働き、その後は年金で暮らす──そうした人生が当たり前だと思っている人が、いきなり「ライフ・シフトだよ」と言われても、困惑するだけでしょう。

 でも、人生二毛作、三毛作、二股・三股も当たり前の世の中になったら、ずっといろいろなことに挑戦できるようになるはずです。「失敗しても平気じゃん」と開き直れますし、選択肢も広がります。

5年前の自分を思い出してみてください

「もう、この歳になったら無理だよ」と考える人もいるかもしれません。

 そんな人に、いつも投げかける質問があります。

「5年前の自分を思い出してみてください。若くないですか? いろいろ可能性があると思いませんか?」

 こう質問されると、皆さん、うなずかれます。