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(文:可知 健太)

 2017年6月2日から6日まで第53回米国臨床腫瘍学会(ASCO:アスコ)Annual Meeting(年次総会)が開催された。

 毎年、米国シカゴにて開催されるASCO年次総会は、毎回世界中から3万人以上のオンコロジスト(がん治療に従事する医療者)が集まる世界最大の「がんの学会」と言える。今年の年次総会のテーマは「Making a Difference in Cancer Care With You」となり、『ともにがんのケアを変革していく』という意である。

 年次総会では2150の演題が採択され、さらに2890本以上の演題がオンライン発表として採択されているが、6月4日、プレナリーセッション(最も重要な演題)の1つとして「転移性固形腫瘍患者において日常的に化学療法を受けている方を対象として、電子患者日誌を使用して12症状を報告した時の影響を検討する前向き研究」の全生存期間(OS)に関する結果が発表され、さらに同日付で、 医学雑誌JAMAにRESARCH LETTERとして掲載された。

関心高まるITヘルスとがん医療 ~ASCOプレナリーセッションに選出~

 昨今、ITのヘルスケア分野への応用は活発化されており、プライマリーケア(循環器領域、内分泌領域、眼科領域など)については積極的な開発、導入がなされている。

 がん領域でもパーソナルコンピューター(PC)、キオスク端末、タブレットやスマートフォンを用いたエレクトロニカル・ペイシェント・レポーティッド・アウトカム(電子患者日誌等; ePRO; イープロ、今回の記事においては、以降、電子患者日誌と記載)を臨床に応用する動きがみられ、去年のASCO年次総会(ASCO2016)でも、インターネットを介した経過観察アプリケーション(MOOVCARE™)が進行肺がん患者の生存期間を改善するという第3相試験結果が発表された。

アプリはがん医療をサポートできる?アプリ導入で肺がん患者の生存期間が延長ASCO2016(オンコロニュース170712)