7月27日の民進党の臨時役員会で蓮舫代表が辞任を表明した。翌28日には、稲田朋美防衛相が辞任した。2人への評価は、それぞれに毀誉褒貶はあるだろうが、与野党を代表する女性政治家であったことは間違いない。理由はまったく違うが、その2人がほぼ同時に辞任に追い込まれてしまった。
だが今回の2人の辞任は、単なる辞任劇とは思えない。だからあえて見出しに「退出」とした。
政治家としての将来が霧散した稲田氏
稲田氏の場合、当選わずか3回であるにもかかわらず、安倍首相の秘蔵っ子として行政改革担当大臣、自民党政調会長、防衛相などを歴任するという異例の厚遇を受けてきた。行政改革担当相、政調会長時代は特段の功績もなかったが、目立つような失敗もなかった。
だが防衛相になってからは、その資質を疑われるような失言や行動が次々とあらわになってしまった。そもそも、その洋服などのファッションにも批判の声が自衛隊の内外から出ていたが、同感である。南スーダン派遣の自衛隊PKO部隊の日報問題では、国会答弁の稚拙さも目を覆うものがあった。
南スーダンの首都ジュバで発生した大規模衝突について、派遣部隊の「日々報告」に「戦闘」と記載されていた問題では、野党側の「現地で『戦闘』があったことを認めるのか」という追及に対して、稲田氏は、「戦闘という言葉が使われているのはその通りだが、法的意味における戦闘行為ではない。大規模な武力衝突はあったが、国際的な武力紛争の一環として行われる戦闘行為とは評価できない」という答弁を繰り返した。「戦闘」があったとは認めたくないということである。