自然に恵まれたフランス南部(アヴェロン県)の風景。エアビーを利用すると世界各地のさまざまな「家」を楽しむことができる(資料写真)

 ここ数年、「民泊」という言葉を頻繁に耳にするようになった。日本では6月9日に住宅宿泊事業法(通称「民泊新法」)が参院本会議で可決・成立し、来春にも施行される見通しとなった。さまざまな課題を積み残しながらも、民泊は事実上“解禁”となる。

 2008年にスタートした民泊サイト最大手の「Airbnb」(エアビーアンドビー、本社・米カリフォルニア州、以下「エアビー」)は、現在、191カ国・6万5000都市で350万件の民泊物件を稼働させている。その利用者の累計は1億6000万人に上る。最近は日本でテレビCMも流し始め、さらなる普及に努めている。

 果たして欧米のように日本でも民泊サービスは普及するのだろうか。今回は利用者の視点から考えた。

個性あふれるさまざまな家を楽しめる

 京都に住むMさん(39歳)は、フランス人男性と結婚した日本人女性である。現在、夫の親戚と一緒にひと夏かけてフランスの田舎を泊まり歩くバカンスの最中だ。宿泊先はエアビーで予約した。

 Mさんによれば、「人数が多くなれば多くなるほど、エアビーを利用するのがお得」なのだそうだ。「個性あふれるさまざまな欧州の『家』を楽しむ」ことができるのも大きな魅力だという。

Mさんが泊まったフランスの民泊(Mさん撮影)

 Mさんはエアビーを利用するようになった経緯をこう語る。